近年、スポーツ用品小売市場は著しい成長を見せています。2024年度の市場規模は、前年度を上回る1兆5,339億円。これは、4年連続での増加を示しており、特にコロナ禍を経て回復したことに意味があります。以下では、この市場の現状と将来の展望について詳しく見ていきます。
まず、2024年度の市場規模が1兆5,339億円を記録した背景には、健康志向の高まりやスポーツイベントの再開があります。コロナ禍の影響で一時的に落ち込みましたが、アウトドアスポーツへの関心が高まり、特にキャンプやゴルフなどが人気を博しました。2023年には、社会活動の正常化とインバウンド需要の回復が重なり、市場は初めて1兆5,000億円を超えたのです。
次に、各社の業績動向を見ていくと、物価高に対する消費者の節約志向が影響しています。「前年度並み」の売上高を維持した企業が57.1%に達する一方で、「増収」を実現した企業は22.0%にとどまりました。また、業績悪化を訴える企業の割合は56.8%となり、厳しい競争環境にあることが伺えます。 ただし、37.1%の企業はコスト管理の見直しによって利益を伸ばしています。
スポーツ用品小売市場が今後直面する課題としては、極端な気象が影響を与えうることが挙げられます。特にウインタースポーツは雪不足による減収リスクが高く、ゴルフや釣り具市場の低迷も懸念されています。多様化するレジャー市場の中で、初心者層の取り込みと定着が、今後の成長の鍵と言えるでしょう。
一方、2026年度にはミラノ・コルティナ冬季五輪やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など、複数の国際大会が予定されています。これらの大会は、スポーツへの関心をさらに高め、新たな市場の拡大を後押しするものと期待されています。各分野では、著名選手の活躍が消費を促す要因となるでしょう。
さらに、インターネットを利用したフリマサービスなどの新たな販売形態も広がり、競争は激化しています。企業は、顧客ニーズに合わせた商品開発やマーケティング戦略の見直しが求められています。特に若年層や海外からの顧客を取り込むための施策が必須です。
こうした背景を踏まえると、今後もスポーツ用品小売市場の成長が期待されます。継続的な需要の拡大には、異常気象への対応策や新たな購買層の確保など、多岐にわたるアプローチが求められるでしょう。2025年度以降、スポーツ用品市場が新たな進化を遂げるのか、その動向に注目です。