がん治療の未来を切り開く！BNCTの最新試験結果が発表された意義とは

がん治療の新たな選択肢、BNCTの可能性

2025年10月20日、ドイツの欧州臨床腫瘍学会で、今注目の治療法である放射線治療の一種・BNCT（ホウ素中性子捕捉療法）の国内第Ⅱ相臨床試験結果が発表され、大きな話題となっています。本試験は、切除不能な血管肉腫という、希少で悪性度の高いがんを対象としたもので、リゾートトラスト株式会社の連結子会社である株式会社CICSとステラファーマ株式会社が共同で実施しました。

この試験では、CICSが開発した加速器中性子捕捉治療装置「CICS-1」とステラファーマのホウ素治療薬「SPM-011」を用い、10名の患者に対する奏効率を評価しました。その結果、BNCTを受けた10名の患者のうち、3名が部分奏効、2名が完全奏効を示し、全体の奏効率は50%に達しました。この数字は、90%信頼区間の下限値が臨床試験計画時に定めた基準を満たしており、試験の主要評価項目が達成されたことを意味します。

期待されるBNCTの実用化

本試験の結果は、切除不能な血管肉腫に対する新たな治療法の可能性を示唆しています。特に、化学療法や放射線治療が選択できない患者に対し、BNCTは有効な治療の選択肢となるかもしれません。これにより、がん患者の治療に新しい光をもたらすことが期待されています。また、試験中には重大な副作用も認められず、安全性が確保されていた点も医療関係者にとって安心材料です。

リゾートトラストグループは、2026年の実用化を目指しており、今回の試験結果をもとに製造販売承認申請を検討すると発表しています。この進展は、がん治療の先進国である日本の医療界に、新たなブレイクスルーをもたらす可能性があります。

がん治療への歩み

リゾートトラストグループは、1994年からメディカル事業に進出し、会員制の医療機関を運営してきました。がん検診の分野では、陽電子放出断層撮影（PET）の導入を通じ、国内のがん検診の普及に貢献してきました。これまでの経験と知見をもとに、さらなるがん治療のソリューションを拡充し、がん先端免疫治療の施設の運営支援にも力を入れています。

未来の治療法としてのBNCT

BNCTは、がん細胞に集まるホウ素薬剤を用いてごく少量の中性子線を照射し、がん細胞を集中的に破壊します。この治療法は、既存の治療法と比較して、患者への負担が少ないとされています。CICSが開発した装置「CICS-1」は、低エネルギーの中性子を生成し、さまざまながんに対する治療の可能性を広げています。

結論

今回の発表は、血管肉腫という特に困難ながんに対して新たな治療法が有望であることを示しています。リゾートトラストグループとその関連企業は、この研究を通じてがん制圧戦略の全貌を拡大し、アジアを含む国内外での治療の進展に寄与し続ける姿勢を見せています。患者の生活を変える新たな治療法として、BNCTに注目し続ける価値があるでしょう。