2025年6月のM&Aには豊田自動織機が大きく貢献、過去最大規模に近づく

2025年6月のM&A市場の分析

2025年6月、M&Aの取引件数は112件となり、前年同月比で23件の増加を記録しました。この数字は6月としては過去最高であり、企業の合併や買収が活発に行われていることを示しています。また、取引の総額は5兆3582億円に達し、前年同月比で約7.5倍の増加を見せており、2008年からの集計において過去2番目の規模となりました。

この情報は、適時開示される上場企業のM&Aデータをもとに、M&A Onlineによって集計されています。このサイトは、M&Aに関する情報を提供するために設立され、数々の情報を通じて企業の合併・買収活動への理解を深めることを目的としています。

豊田自動織機が牽引する取引総額

今回のリポートにおいて、特筆すべきはトヨタグループが行った豊田自動織機のTOB（株式公開買付）が、取引総額の大半を占めている点です。このTOBは4兆6840億円という巨額のものであり、M&Aにおける成長の重要な要素となっています。

トヨタグループは、2023年度から相互に所有する株式の売却を進め、資本効率の向上に注力しています。豊田自動織機はトヨタグループの発祥とも言える企業であり、その重要性は非常に高いです。また、トヨタ不動産が新たに設立した特別目的会社（SPC）がこのTOBを推進しています。

TOBの増加と市場の動向

近年、TOBは増加傾向にあり、特に今月はその数が際立っています。取引金額の上位にランクインしている案件のうち、なんと9件がTOBによるものでした。6月のTOP3の取引内容は以下の通りです。

1. 豊田自動織機 - トヨタグループによるTOB（4兆6840億円）
2. 牧野フライス製作所 - アジア系投資ファンドのMBKパートナーズによるTOB（2748億円）
3. トライト - 米投資ファンドのカーライル・グループが医療・福祉分野の人材紹介・派遣サービスを子会社化（874億円）

特に、トライトのTOBは、日本の医療福祉業界における人手不足の問題を背景にしており、今後の人材派遣市場の拡大を見越しています。多くの企業がこの分野での成長を狙っていることは、業界全体の活況を反映しています。

M&A Onlineの役割

M&A Onlineは、企業の合併や買収にまつわる様々な情報を提供し、より多くの人々にM&Aを身近に感じてもらえるよう活動しています。特に後継者問題の解消に向けた情報の発信や、日本経済のイノベーションに寄与する活動を行っています。また、2025年7月には設立から10周年を迎えることを記念したイベントも予定されています。このイベントでは、成功するM&Aの秘訣についてのトークライブが行われる予定です。