FingerVision 触覚センシング技術の進展
株式会社FingerVisionは、大学発の先進的な触覚センシング技術を開発し、社会に実装することを目指しています。このたび、同社は株式会社慶應イノベーション・イニシアティブを引受先とする第三者割当増資を通じて、シードラウンドにおいて1億円の資金調達を実施しました。これにより、FingerVisionの強みである触覚センシングデバイスやロボットハンドの開発体制を一層強化し、実用化を進める背景には、社会が抱える様々な課題への解決思考があります。
事業のビジョン
今後のロボットやAIの進化が予想される中、FingerVisionは特に「触覚」の不足がロボットの適用範囲を狭くしていると捉えています。会社の触覚技術により、危険な作業や厳しい環境でのタスクをロボットに任せることが可能となります。これにより、働く人々の安全が確保されるとともに、社会の生産性向上にも寄与します。
技術概要
FingerVisionのコア技術は「画像に基づいて触覚を再現する」というコンセプトです。ロボットの指先に取り付けることができ、触覚を認識するセンサとして、力や滑りの分布を把握可能にします。従来の視覚情報だけでなく、触覚情報も持つ新しい「視触覚センサー」により、従来の技術では難しかった物体を巧みに操作できるようになるのです。この技術は高い経済性を実現し、様々な業界での自動化に向けた大きな可能性を秘めています。
過去には、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による支援を通じて、実用化に向けた研究を進めてきました。研究者たちの熱意が詰まったこのプロジェクトは、今後の進展が非常に楽しみです。
資金調達の背景と展望
今回の資金調達について、Fingerprintの取締役である濃野友紀さんは、技術の実用性だけではなく、ロボットメーカーやデバイスメーカー、さらには社会課題を抱える行政などと共通のビジョンを持つことの重要性を語っています。彼は、触覚技術により汎用的なタスクを担えるロボットを実現することで、製造業界での変化が期待できると述べています。
一方、取締役の山口明彦さんは、これまでロボットが扱えなかった分野に踏み込むことで、技術の社会実装を進めたいという強い意志を持っています。特に食品産業のプロセス自動化においては、この技術が大きな役割を果たすことを期待しているとのことです。
組織体制の強化と人材採用
FingerVisionは、その触覚センシング技術の実用化を加速させるために、優れた人材の採用にも注力しています。新たにCOO兼CDOとして山浦博志さんを迎え、生産・サービスの開発を進める予定です。彼は過去に義手や触覚デバイスを開発してきた実績があります。
受け取った資金を活用し、世界に出て行く準備を整えつつ、エンジニアやリサーチャーの採用を進め、技術の社会実装を実現する所存です。
会社概要
- - 社名:株式会社FingerVision
- - 代表取締役:濃野友紀
- - 所在地:東京都杉並区上高井戸2-4-29-312
- - 設立:2021年10月
- - 資本金:104百万円
- - URL:fingervision.jp