新手法が注目
2023-10-26 14:26:39

糖尿病網膜症の早期発見新手法が注目を集める理由とは

糖尿病網膜症(DR)は、日本国内において失明の原因の中で第3位を占めており、毎年数千人がこの病気を原因に視覚を失っています。特に糖尿病を患っている人々にとって、この病気は深刻な視機能の障害を引き起こす可能性が高く、そのため早期の発見と評価が非常に重要です。

東北大学の医学系研究科眼科学において、新たなアプローチが提案されました。中澤徹教授や國方彦志特命教授、岡部達医師から構成される研究チームは、あっと株式会社が開発した毛細血管スコープを用いることで、糖尿病患者の爪床毛細血管(NC)の測定が糖尿病網膜症の発見やその重症度の評価に役立つ可能性があることを示しました。

この研究は、2023年10月24日に発表され、Graefes Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology誌に掲載されました。研究の結果、糖尿病患者における爪床毛細血管の数が減少していることや、その構造が短縮化、狭小化、混濁化していることが明らかになりました。また、これらの特徴がDRの存在や重症度に関連していることが示されました。

糖尿病網膜症は、複雑な分子メカニズムによって引き起こされるため、これまで特異的なバイオマーカーが存在しませんでした。そのため、糖尿病網膜症の早期発見は一般的に難易度が高いとされています。しかし、今回の研究では、爪床毛細血管の非侵襲的な測定によって、糖尿病患者の視覚損失を予防する新たな手段が提供されることが期待されています。本研究の成果は、今後の糖尿病患者における視覚損失のリスクの評価に革新的な進展をもたらすことでしょう。

また、爪床毛細血管スコープの写真解析によると、糖尿病患者と非糖尿病患者の間には明らかな違いが見られます。糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて、爪床毛細血管の本数が少なく、血管の形状も変わっていました。これにより、爪床毛細血管の状態を評価することで、糖尿病網膜症のリスクを予測する手がかりが得られる可能性があります。

この研究は、未来に向けて糖尿病患者の視覚損失を防ぐ新たな手段として期待されており、医療現場でも今後の展開が注目されることでしょう。研究を進めている中澤教授のチームにとっても、これからの成果が非常に興味深いものになると予想されます。今後の研究の進展が待たれます。

会社情報

会社名
あっと株式会社
住所
大阪府大阪市中央区今橋2-2-173F
電話番号
050-5876-8563

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。