子どもの体水分不足
2024-07-04 14:49:32

日本の子どもたちの体水分状態は要注意! 春に不足気味という調査結果

日本の子どもたちの体水分状態は要注意!春に不足気味という調査結果



新潟大学附属新潟小中学校の児童・生徒を対象とした調査で、日本の子供たちの体水分状態がやや不足気味であることが判明しました。

この調査は、新潟大学教育学部の天野達郎准教授と早稲田大学スポーツ科学学術院の細川由梨准教授らの研究グループによって行われました。対象は、新潟大学附属新潟小学校・中学校の児童・生徒とその保護者で、合計349名が参加しました。

調査では、春(4月)と夏(7月)に尿検査を実施し、体水分状態を示す尿浸透圧や尿比重を調べました。その結果、世界の子どもたちの傾向と同様に、日本の子どもたちの多くも体水分状態がやや不足気味であることが分かりました。

特に、春の起床時の尿浸透圧が水分不足の基準値を超える割合は66%と、夏の50%よりも高くなっていました。このことから、夏の脱水予防だけでなく、暑さがそれほどでもない季節でも、子どもたちのこまめな飲水が必要であることが示唆されます。

なぜ体水分状態が不足するのか?



体水分状態は、身体機能の恒常性や健康に深く関わっており、適切な範囲に維持することが重要です。しかし、近年、世界各国の子どもたちの体水分状態が不足気味であることが明らかになっています。

これは、夏の脱水だけでなく、夏以外の季節でも免疫や腎機能など、身体の健康全般に影響を及ぼす可能性があります。将来的な健康リスクにもつながるため、早めの対策が求められます。

体水分状態は、季節、人種、民族、食文化、地理的・環境要因など多くの要因によって影響を受けます。しかし、意外にも日本の子どもたちの体水分状態は、これまで十分に調査されていませんでした。そこで、今回の研究では、日本の子どもたちの体水分状態を季節の影響と共に明らかにすることを目的として行われました。

研究結果から見えてきた課題



調査結果によると、春の起床時の尿浸透圧は夏よりも高く、いずれも水分不足の基準値を超えていました。また、尿の色から体水分状態を判断できる尿カラースケールを用いた調査では、尿浸透圧が基準値を超えていた子どものうち、実際に尿の色が水分不足を示す4以上を選択した人はわずか30%程度でした。

これらの結果から、子どもたちは自分の体水分状態を正しく認識できていない可能性が示唆されます。

今後の展開



研究グループでは、子どもたちの体水分状態改善に向けた取り組みとして、教育動画「からだと水分」を公開しています。この動画を通して、子どもたちの飲水意識を高め、適切な水分補給を促すことを目指しています。

今後は、この動画の効果を検証し、子どもたちの飲水行動を改善するための更なる対策を検討していく予定です。

子どもたちの健康を守るために



今回の調査結果を踏まえ、子どもたちの体水分状態の改善に向けて、保護者や教育機関が積極的に取り組むことが重要です。

こまめな水分補給を習慣化させ、子どもたちの健康を守りましょう。

トピックス(科学)

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