ナゴヤダルマガエルの新発見
2025-11-14 14:17:24

絶滅危惧種ナゴヤダルマガエルに影響を及ぼすカビの新発見

研究成果の背景



国立科学博物館の研究チームが、絶滅危惧種であるナゴヤダルマガエルに新たな危険因子を発見しました。この研究は、ナゴヤダルマガエルが大量死する事件を受けて行われました。研究者たちは、亡くなったガエルの臓器や組織に異常が認められたことに着目し、さらなる調査を進めました。

菌類の病原性



研究の結果、ナゴヤダルマガエルの病変部からバッカクキン科に属する「メタポコニア・バルビローサ」という真菌が発見されました。この菌はこれまで土壌に存在する菌として認識されていましたが、まさかこの植物病原菌が両生類に影響を与える可能性があるとは誰も予想していませんでした。今回の調査により、初めて脊椎動物から分離されたことが、大きな科学的意義を持っています。

実験の成果



メタポコニア・バルビローサを使用した実験では、アマガエルに対して接種を行った結果、同様の病変が観察され、死亡する個体も現れました。これは、この菌がナゴヤダルマガエルの死に直接関与していると確認する重要な証拠となりました。さらに、亡くなったアマガエルからも再びこの菌を確認することができ、コッホの原則に基づいて、確実に病原菌と断定されました。

新たな発見がもたらす影響



研究によると、バッカクキン科に属する菌類が両生類に感染し、致命的な影響を及ぼすことが分かったのはこれが初めてのことであり、これにより新たな真菌症のリスクが浮き彫りになりました。特に、両生類や爬虫類に対して真菌が引き起こす疾病が生態系に与える影響は非常に重大です。カエルツボカビと呼ばれる病原菌が引き起こした深刻な被害がある中、メタポコニア・バルビローサの発見は新たな危機の可能性を示唆しています。

私たちの研究チームは、この菌に対するさらなる研究を続け、特に絶滅危惧種ナゴヤダルマガエルの保護と日本における両生類の多様性を守る努力を続ける所存です。この発見は、日本の生態系の保全における現代的な課題を浮き彫りにし、今後の研究に大きな影響を与えることでしょう。

発表と今後の展望



本研究の成果は、2025年10月30日にアメリカの菌類学分野の専門誌「Mycologia」に掲載されました。この発表は、既存の理解を超える新たな知見を提供し、今後の両生類における真菌の研究に大きな影響を及ぼすと考えられます。

研究を進めることで、私たちが直面している環境問題や生態系の危機に対して、より効果的な対策を講じることができることを期待しています。私たちは、今後とも両生類やその他の生物の保全に貢献できる研究を進めていくつもりです。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
文化庁
住所
京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
電話番号
075-451-4111

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。