スマホとAIで実現!慢性疾患治療の新たな支援システム
近年、増加する国民医療費の中で、約3割が生活習慣病に関連していると言われています。さらに、死亡者の約60%も生活習慣病が原因とされており、その重要性が年々高まっています。しかし、慢性疾患の内服治療を受けている患者の約半数は、1年以内に服薬を中止してしまうという現実があります。この状況を克服するため、より効率的な服薬管理が求められています。
そのため、株式会社情報医療は新たなアプローチとして、スマートフォンと人工知能を駆使した「スマホ診療プラットフォーム」を開発しました。2015年11月に設立された当社は、医療現場の多忙を鑑み、医師と患者の双方にとって便利な環境を整えることを目指しています。今年4月には、日本初のスマホ診療アプリをリリースしました。
このプラットフォームでは、医師向けにウェブベースのアプリケーション、患者向けにはiOS版とAndroid版のスマホアプリを用意。診察から処方、決済、そして服薬継続のサポートまでを通じて、患者がより良い医療を受けられる環境を提供しています。
特に注目すべきは、服薬継続サポートに組み込まれた「curon AI(クロンAI)」の存在です。このAIは、ディープラーニング技術を活用し、患者の性格や嗜好に合わせたオーダーメイドのサポートを行います。患者からのフィードバックを受けて、AIは学習を続け、より個別化されたサポートが可能となります。
また、株式会社情報医療は、2016年7月から京都大学大学院医学研究科医療疫学講座との共同研究を開始しました。この研究は、スマホ診療プラットフォームとAIによる服薬継続支援の効果を実証することを目的としています。同時に、遠隔診療が如何に安全に行えるかについても検証を進めています。
京都大学の福間准教授は、この取り組みを非常に興味深いとし、「深層学習を活用した疾患・服薬管理の新しいアプローチがどのような成果を上げるか、今後の実証研究で明らかにしていきたい」との意向を示しています。
慢性疾患を抱える患者に対し、安心して遠隔診療を利用してもらうことで、服薬継続の支援が実現します。更には、アカデミアとの連携を強化しながら、エビデンスとなるデータを作成し、遠隔診療の制度形成にも寄与することを目指しています。
株式会社情報医療の概要