新技術で変わるアルミ業界
2024-09-11 19:25:49

新たなアルミニウム資源循環技術「縦型高速双ロール鋳造機」の開発

新たなアルミニウム資源循環技術「縦型高速双ロール鋳造機」の開発



近年、環境問題に対する関心が高まる中で、持続可能な資源管理の重要性が増しています。そんな時代の流れの中、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、株式会社UACJ、国立大学法人東京工業大学と共同で、サーキュラーエコノミーの実現を目指した「縦型高速双ロール鋳造機」を開発しました。この鋳造機は、アルミニウムのリサイクルプロセスに革命をもたらす技術として注目されています。

背景と必要性の高まり



近年、様々な産業で「循環経済」への転換が求められています。特にアルミニウムは、軽量で強度が高い素材として需要が高まり、その資源循環の向上が期待されています。しかし、新たにアルミニウムを製造する過程での二酸化炭素(CO2)排出が問題視されており、再生地金を効率的に利用できる技術の確立が求められています。NEDOは2021年度から、アルミニウム素材の資源循環システムを構築するために努力を続けており、その一環がこの新技術の開発に結びついています。

縦型高速双ロール鋳造機の特徴



従来の鋳造技術では、リサイクル材を使用することが困難でしたが、新たな縦型高速双ロール鋳造機では、アルミ溶湯から直接薄板を鋳造することを可能にしました。従来技術と比べ、冷却速度と鋳造速度が飛躍的に向上し、数十倍の効率を達成しています。

具体的には、銅製ロールと長い接触面を持つことで、溶湯の冷却能力が最大化され、急速な凝固が行われます。このプロセスにより、溶湯に含まれる不純物による晶出物の発生が抑制され、より高品質なアルミリサイクル材を製造することが可能になりました。これにより、アルミニウムの展伸材製造が実現し、2024年10月から稼働を開始します。この技術の導入は、業界において初めての試みです。

今後の展望



NEDOとそのパートナーは、開発した技術を活かし、2030年以降には高品質なアルミニウムリサイクル材の量産化を目指しています。また、2050年には業界全体で年間1800万トン規模のCO2排出量削減を達成することを目指しています。この取り組みは、単なる技術革新にとどまらず、環境に配慮した持続可能な社会を構築する一助となることでしょう。

結語



「縦型高速双ロール鋳造機」は、アルミニウム資源の循環利用を可能にする革新的な技術です。今後の進展と成果に期待が寄せられており、持続可能な未来を築くための重要なステップとなることでしょう。環境問題への意識が高まる中で、企業や学術機関が連携し、新しい技術を開発していく姿勢が求められています。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
住所
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
044-520-5207

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