水がもたらす革新
2025-09-30 15:25:24

水の力で革命!不溶性半導体材料の革新と次世代応用の可能性

水の力で不溶性半導体材料を革命的に変える



大阪工業大学と京都工芸繊維大学の研究チームは、これまで不溶性とされていたニッケル-エ텐テトラチオレート系配位高分子(poly(NiETT))を、水と有機溶媒の混合液を用いて自然に分散させる技術を開発しました。この新しい手法により、扱いが難しかった材料を高性能な薄膜へと変えることが可能になりました。

発見の背景と意義



現代社会では、エアコンや自動車、工場から放出される大量の熱が無駄にされており、その約3分の2がエネルギーとして再利用できていないという現実があります。この捨てられた熱を電気に変換する「熱電変換」は、次世代のエコ技術として注目を集めています。特に、柔らかく曲げられる有機材料を使用した熱電材料は、ウェアラブルデバイスや柔軟なセンサーへの応用が期待されています。

課題


しかし、「電子を運ぶn型」と呼ばれる有機材料は、湿気に弱く不安定であるため、使用が難しいという大きな課題がありました。これまで、金属イオンと有機配位子からなる導電性の配位高分子がこの問題解決の手段として期待されていました。

研究の進展


今回の研究では、ニッケル-エテンテトラチオレート(poly(NiETT))に焦点を当てました。研究チームはこの材料を、水と有機溶媒の混合液に投入すると、自然にほぐれてコロイド状態になることを発見しました。これにより、不溶性の障害が取り除かれ、柔軟で高性能な薄膜の製作が可能となりました。

熱電特性


得られたフィルムは、電気伝導度やゼーベック係数において高い性能を示し、特に湿気を含む環境下で加熱すると「ドーピング効果」が生じて性能が向上します。この新たな制御法は、環境要因を逆手にとったもので、有機熱電材料の新しい活用方法を提供します。

次世代応用の展望


研究チームはさらに、得られた材料を用いて応用研究を進めており、特にカーボンナノチューブとの組み合わせによって試作した高感度テラヘルツ光センサーは、従来の約4倍の感度を誇ります。テラヘルツ波は次世代通信(6G/7G)や非破壊検査、医療分野での利用が期待されており、今後の展開が注目されています。

研究成果の意義


この研究は、伝統的に扱いが難しかった有機n型熱電材料に新たな加工ルートを開くもので、環境に適応したエネルギーデバイスや次世代光センサーの開発に向けた重要な一歩となります。研究成果は、英国王立化学会発行の「Journal of Materials Chemistry A」に掲載され、今後の研究の基礎となることが期待されています。

今後、この新しい技術により、体温の変化を利用した発電デバイスや高感度センサーが実用化され、未来の生活を一変させる可能性があります。

まとめ


水の力を利用することで、今までのサイズや扱い方の難しさを解消したこの技術は、エネルギー変換の新しいフロンティアを切り開くものとなるでしょう。風変わりな手法によって、持続可能な未来を切り拓く可能性に期待が寄せられています。


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