NICTの「ハイパーデジタルツイン基盤」プロジェクトが最高評価を獲得！

近年、通信技術の進化が私たちの生活に革新をもたらしています。その中でも特に注目されるのが、NICT（国立研究開発法人情報通信研究機構）が推進する「ハイパーデジタルツイン基盤」プロジェクトです。このプロジェクトは、自律移動技術の実現に向けた重要なステップとなっています。

プロジェクトの概要

このプロジェクトは、芝浦工業大学工学部の廣瀬敏也教授が参画し、株式会社ハイパーデジタルツインが中心となって進められました。NICTからの委託を受け、令和4年度から令和6年度にわたり、総額300百万円を投じて実施されています。目的は、Beyond 5G時代を見据え、安全に多数の自律マイクロモビリティを同時運用できるデジタルツイン基盤の実用化です。

最高評価「S」を獲得

プロジェクト終了後、評価委員による審査が行われ、プロジェクト全体が「S評価」という最高評価を獲得しました。この結果に、審査委員は「総合的に見て非常に優れた成果を挙げており、特に事業化に向けた取り組みが着実に進められている」とコメントしました。これは、研究成果の質と費用対効果のバランスが取れていることを示しています。

実証実験の具体的な成果

実際の実証実験では、12m x 12mのエリアで10台の自律移動車両が、最高速度6km/hで5分間の自律移動に成功しました。この実験は、事故なく全車両が動き続けるという高い安全性を証明できたことからも、高く評価されています。また、移動経路誤差が5cm以内に収まる高精度の位置制御も実証されました。

社会的認知と国際標準化への貢献

さらに、NICTのプロジェクトは国際標準化にも寄与しています。ITU-T SG21やIETFへの寄書を通じて、他の研究開発のクケーススタディとしての成功例として位置づけられており、社会的認知も高まっています。このプロジェクトが持つ波及効果は計り知れません。

未来への展望

今後、このプロジェクトの成果を発展させ、B5G時代に向けたさらなる研究開発が加速します。株式会社ハイパーデジタルツインは、東京都のTokyo NEXT 5G Boosters Projectに採択され、実証実験が進む予定です。

芝浦工業大学も、JST CRONOSに2025年度の移行研究として採択されており、新たな移動技術の開発に取り組みます。また、ITU-T SG21での標準化に向けた寄書の受理が予定され、2025年の実現を目指しています。