細胞培養の効率化
2022-02-21 10:00:14

株式会社島津製作所とエピストラの共同開発で細胞培養の効率化を目指す

株式会社島津製作所とエピストラが共同開発する細胞培養条件最適化ソリューション



日本のバイオテクノロジー業界に新たな風を吹き込む、株式会社島津製作所とエピストラ株式会社の共同開発が発表されました。このプロジェクトの目標は、細胞培養条件を最適化し、プロセスの効率化を図ることにあります。バイオ医薬品の生産などに重要な細胞培養は、医療現場でも注目されている分野ですが、その製造コストの高さが課題となっています。

共同開発の背景


細胞培養技術は、特にバイオ医薬品の製造や再生医療において中心的な役割を果たしています。しかし、従来の製造プロセスにおいては、コストがかかるため患者一人当たりの治療費が高騰し、医療制度に圧力をかけています。そこで、島津製作所が提供するLC/MS/MSメソッドを用いて培養中の培地成分を分析し、エピストラのAI技術を組み合わせることによって、細胞培養の効率を向上させ、コスト削減を目指します。

この共同開発プロジェクトでは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)を利用して、培養液中の125成分を迅速に分析することが可能です。その結果、細胞内で特定の物質が生産されるための条件を明確にし、実験計画をAIが自動的に立案することができます。これにより、一回の条件検討にかかる時間を短縮でき、生産性向上に寄与します。

実証実験の開始


新しい培養条件豊富な最適化ソリューションの実証実験は、次世代バイオ医薬品製造技術研究組合であるMAB組合のもとで行われています。両社は、細胞提供を受けながら培養上清を分析し、抗体の収量をAIが推定するシステムの開発を進めています。

また、従来の方法では、成分ごとに個別に分析を行う必要がありましたが、最新のLC/MS/MSメソッドパッケージを利用することで、たった20分で一斉に分析を行えるようになりました。これにより、研究者はそれぞれの成分の分析結果を早急に取得し、効率的な研究を進めることができます。

AIによる実験自動最適化


エピストラが提供するEpistra Accelerateは、ライフサイエンスの研究開発における課題を解決するために設計されたAIツールです。これまでは多くの試行錯誤が課題でしたが、このAIシステムにより、従来よりも少ない試行回数で最適な条件を見出すことが可能です。高次元データを扱うことにも関わらず、特有のアルゴリズムによって高いパフォーマンスを発揮することが期待されています。

このように、AIと分析技術の融合によって、細胞培養の効率化や製造コストの削減が実現されれば、国民がより安価で効果的な医薬品を受け取ることができる日も近づくでしょう。バイオ医薬品や再生医療の未来に対して、明るい展望が描かれています。

ウェブサイトでは、さらなる詳細情報が公開されており、最新技術に直接触れることができます。興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。


会社概要


  • - エピストラ株式会社
代表者:小澤陽介、櫻田剛史
設立:2018年3月
所在地:東京都港区浜松町二丁目2番15号
公式ウェブサイト:epistra.jp

会社情報

会社名
エピストラ株式会社
住所
東京都港区浜松町2-2-15
電話番号

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