日台医療イノベーション
2025-09-30 17:34:40

台北医学大学とBE Healthが織りなす日台の医療イノベーション

アジア医療イノベーションの未来



アジア地域における高齢化やデジタルヘルスの進展が同時に進む中、日本政府はスタートアップの支援施策や地域医療体制の再構築を積極的に進めており、国際的なイノベーションを受け入れる環境が整いつつあります。そんな背景の中、注目を集めているのが台湾唯一の病院系ベンチャーキャピタル、BE Healthです。

臨床ニーズに応える取り組み



これまでの医療には、主に海外製の医療機器を使用し、それを臨床試験にかけるという流れが一般的でしたが、台北医学大学ではこの状況を打破し、自らの臨床環境を利用して医療機器を開発するというアプローチをとっています。

このイニシアチブには、台北医学大学のバイオメディカル・アクセラレーター責任者である陳兆煒(Jowy Tani)医師が大きく関わっています。彼は、米国のスタンフォード大学医学部やUCSF認知症センターでの経験を経て、現場で本当に求められるイノベーションを追求してきました。

陳医師のビジョン



「現場に必要なイノベーションとは何か?」をテーマに、陳医師は「台湾には優れた臨床環境があり、これを活用することで、より大きな価値を生み出せるのではないか」と述べています。彼は「臨床ニーズ主導」「部門を超えた連携」「商品化を見据えた開発」を基本理念としたバイオメディカル・アクセラレーターを設立し、医療界におけるイノベーションを加速させることを目指しています。

日台の協力体制



台北医学大学とBE Healthの提携により、「病院 × ベンチャーキャピタル × アクセラレーター」という新たなモデルが形成されました。この体制では、実験室での研究成果を患者に実際の治療に役立つ形で還元していくことを目指しています。

BE Healthは資金提供を超えて、医療現場に密着した支援を行っています。検証計画の設計や国際的なリソースの融通を通して、病院とスタートアップの連携を促進する重要な役割を果たしています。

一方で、台北医学大学は国際的なネットワークを活用し、日本を含む各国の専門家と協力することで、スタートアップへの一貫した支援を提供しています。

臨床現場のニーズを満たす



陳医師は、「台北医学大学とBE Healthによって形成された体制により、臨床現場のニーズと事業開発の視点を双方向で共有できるようになった」とし、特に日本の医療機関との協力を進める意義を強調しています。彼はさらに、台湾と日本の医療エコシステムの補完関係が、共同でのイノベーションにおいて鍵を握ると述べています。

台湾の柔軟性とスピード、日本の豊富な人材や市場規模が組み合わさることで、両国の医療イノベーションの価値が飛躍的に向上することが期待されます。

新たな事務所設立で更なる展開



日台間の医療連携を強化するために、BE Healthは2025年10月に東京にオフィスを開設します。この新しい拠点を通じて、より多くの日本の医師との協力を図り、臨床的意義を持つイノベーションの検証環境を共に構築していくことを目指します。

陳医師は「私たちは単一の製品テストを超えて、実際に臨床現場で最適に技術を活用する方法を共同で模索したい」と語っており、日台両国の医療スタートアップが連携できる強固な基盤を築くことへの意気込みを見せています。

未来への期待



台北医学大学は集中型データセンターや研究部門などのインフラを整え、高いデータ統合力を持つことで知られています。この環境下で、臨床リソースのコストが日本の約1/3と抑えられ、迅速な実行が可能です。

陳医師は、「お互いの経験やリソースを統合することで、アジア医療エコシステムは共に成長し、より人間中心の医療イノベーションへと進化できる」と期待を寄せています。

台北医学大学とBE Healthが描く未来は、単なる台湾や日本にとどまらず、アジア全体に広がる臨床イノベーションのプラットフォームの構築へとつながります。

彼は「今後は認知症ケアやデジタル介護支援機器、精密画像診断といった分野で、日台間の共同研究を進めていきたい」と述べ、国際的な協力を促進していく意向を示しています。

まとめ



BE Healthの東京オフィス設立は、単なるビジネスの拡大にとどまらず、異なる文化や制度を超えた新しい連携の試みです。台北医学大学の強みとBE Healthの国際的な戦略を融合させ、日本の医療現場と共に、患者ニーズを起点としたイノベーションを推進することを目指しています。

このような日台の医療イノベーションの取り組みは、アジア全域における未来の医療を形作る重要な一歩となることでしょう。


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会社情報

会社名
比翼加速器股份有限公司
住所
Songshan District Taipei City, 10553, TaiwanTaiwan Tech Arena No. 2, Sec. 4, Nanjing E. Rd.,
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