免震構造の信頼性向上へ! 実大免震試験機を用いた「免震動的性能認証制度」が7月よりスタート

令和6年能登半島地震の教訓から生まれた「免震動的性能認証制度」



国土交通省は、一般財団法人免震研究推進機構が7月1日より「免震動的性能認証制度」を開始することを発表しました。この制度は、世界トップクラスの実大免震試験機(E-Isolation)を用いて、免震構造に用いられる免震装置の性能を評価するものです。

令和6年能登半島地震では、七尾市で震度6強を観測し、多くの木造建築物に被害が出ました。しかし、免震構造を採用した病院では、地震後も機能を維持できた事例が報告されています。このことから、免震構造が地震時における建築物の被害軽減や機能継続に有効であることが改めて証明されました。

世界トップクラスの実大免震試験機「E-Isolation」



「免震動的性能認証制度」では、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)によって整備された実大免震試験機「E-Isolation」が活用されます。「E-Isolation」は、世界トップクラスの精度を誇る試験機であり、免震装置の実大・動的試験を行うことで、より精度の高い性能評価が可能となります。

免震構造の信頼性向上への期待



「免震動的性能認証制度」の開始により、免震構造の信頼性がさらに高まることが期待されます。建築物の設計・施工段階において、免震装置の性能が認証された製品を採用することで、より安全で安心できる建築物の実現に繋がるでしょう。また、免震構造の普及促進にも貢献し、地震に強い社会の実現に大きく役立つと期待されています。

今後の展開



国土交通省は、今後も免震構造の研究開発を推進するとともに、関係機関と連携し、免震構造の普及促進に取り組んでいく予定です。

免震構造の未来へ向けた一歩! 性能認証制度がもたらす変化



「免震動的性能認証制度」の開始は、免震構造の信頼性向上に向けた大きな一歩と言えるでしょう。これまでにも免震構造は、多くの建築物に採用されてきましたが、今回の制度によって、その安全性と有効性がより明確に示されることになります。

特に、世界トップクラスの実大免震試験機「E-Isolation」を用いた性能評価は、従来の試験方法に比べて格段に精度が高いことが期待されます。これにより、免震装置の性能に関する客観的なデータが得られ、建築物の設計や施工においてより的確な判断が可能となります。

また、免震構造の普及促進という観点からも、この制度は大きな役割を果たすでしょう。性能認証を受けた免震装置は、信頼性が高い製品として認知されることで、建築主や設計者からの需要が高まることが予想されます。

今後は、この制度がどのように活用され、免震構造がどのように発展していくのか、注目していく必要があります。性能認証制度を通して、より安全で安心できる建築物が実現し、地震に強い社会が構築されることを期待しています。

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