レゾナックがエンソートのMIプログラムを拡張、新材料開発の未来を切り開く

レゾナックがエンソートのMIプログラムを拡張する背景

2023年、エンソート合同会社が発表したところによると、日本の機能性化学メーカーであるレゾナックが、エンソートのマテリアルズ・インフォマティクス（MI）アクセラレーション・プログラムの採用を拡大しました。これにより、レゾナックの研究開発部門における新材料製品の迅速な開発が期待されています。

このプログラムは、機械学習や情報科学の知識を活かしてデータ分析を行い、新たな知見を得ることに重点を置いています。エンソートは、研究者がこれらのスキルを身につけるための支援を行い、デジタル変革を実現するための包括的な戦略を策定しています。

進むデジタル化と技術革新

レゾナックでは、エンソートの常駐専門家の協力を得て、研究者が最新の機械学習やAI技術を学ぶ機会が増えました。これにより、参加者数は1年足らずでほぼ倍増し、2024年にはさらなる拡大が見込まれています。レゾナックの計算情報科学研究センター長・奥野好成氏は、エンソートとの協業の成果を強調し、研究者たちがイノベーションマインドを身につけたことを嬉しく思っています。

MI手法の中心には、AIツールを駆使してソフトウェアアプリケーションを開発し、物理や化学の理論に依存せずに産業界が直面する難題にアプローチする力があります。エンソートの強みは、このMI手法を熟知した技術チームであり、彼らの支援により効率的な製品開発が可能になります。

具体的なプロジェクトの成果

エンソートは、レゾナックと共に以下のような様々なMIプロジェクトを推進しています。

- 材料設計支援アプリケーション：機能性化学製品開発向けに複雑な設計空間を探索。
- ナチュラルランゲージプロセッシングの活用：学術論文からポリマー特性データを抽出し、適正な訓練データセットを提供。
- ディープラーニングを適用した画像検査システム：品質管理を強化するための堅牢な自動検査ツール。
- 化学計算の高速化：機械学習を駆使し、プロセスの効率化を実現。

エンソートのMIプログラムは、新技術の導入に留まらず、プロセスや人材の変革を目指しており、科学者に新たな視点を提供することが目的とされています。エンソートのMI部門ディレクター・Mike Heiber博士は、レゾナックの科学者たちが新しいアプローチを受け入れていることに喜びを見せました。これらの進展は、科学者のスキル向上だけでなく、業界全体にも寄与することでしょう。

新たなビジネス機会の創出

エンソートのMIプログラムによって、レゾナックの研究者たちは、様々な技術を探求し、新たなプロジェクトを推進するための強固な基盤を築いています。これにより、プログラム外の研究者も恩恵を受けることができ、開発されたソフトウェアは、関連するビジネス課題の解決にも貢献しています。

まとめ

レゾナックとエンソートのパートナーシップは、デジタル変革の先駆けとなり、今後の素材開発に革新をもたらすでしょう。この取り組みがさらに進化することで、新たな研究成果とビジネスチャンスが生まれることに期待が寄せられています。エンソートのMIアクセラレーション・プログラムの詳細については、こちらをご覧ください。