アーバスキュラー菌根菌の展望
2023-09-12 09:00:14

持続可能な農業へ向けて注目の微生物、アーバスキュラー菌根菌の純粋培養技術

アーバスキュラー菌根菌の活用とその可能性



近年、持続可能な農業の実現に向けて注目が集まる中、(株)松本微生物研究所が開発した「アーバスキュラー菌根菌」の純粋培養技術が新たな希望をもたらしています。

アーバスキュラー菌根菌とは?


アーバスキュラー菌根菌(AM菌)は、作物の根と共生する微生物で、土壌中のリンを吸収し、作物に供給する役割を果たしています。これにより化成肥料の使用量を削減できるだけでなく、環境負荷の軽減や持続可能な農業の実現に寄与します。

しかし、AM菌は植物と共生しなければ生育できないため、効率的に資材化するためには、共存培養が不可欠です。このプロセスは高コストであり、農業現場では生産性向上のためにその克服が期待されていました。

新たな培養技術の発展


信州大学と松本微生物研究所の研究チームが革新的な成果を挙げました。彼らはAM菌を単独で純粋培養する技術に成功し、これにより大量生産の可能性が生まれました。この培養法は、これまでの共存培養に代わる画期的なテクニックとして高く評価されています。

この純粋培養技術は、信州大学との共同研究において、2021年からの取り組みの結果として確立され、さらに現在は松本微生物研究所が保有する菌株(Rhizophagus sp. M1)の最適化も進められています。

実用化に向けた取り組み


松本微生物研究所は、アーバスキュラー菌根菌の資材としての実用化を目指し、純粋培養に成功した菌株を利用して、高品質・高生産性を期待しています。すでに従来の共存培養法製品と同等の効果を示し、農業の現場での利用が見込まれます。

国際農業資材EXPOでの発表


この革新的な技術は、2023年10月11日から13日まで、幕張メッセで開催される第13回国際農業資材EXPOでも紹介されます。展示ブースでは、純粋培養品の試作品や開発技術についての詳細が発表される予定です。

お時間がある方はぜひ足を運び、新しい農業資材に触れてみてはいかがでしょうか。この機会に、AM菌を含む微生物資材の未来について意見を交わす場としても活用できることでしょう。

会社概要と今後の展望


(株)松本微生物研究所は1980年に設立以来、有用微生物を活用した技術研究開発を進めてきました。微生物商品開発やコンサルティングを行い、農業分野における持続可能性の向上に貢献しています。

同社の今後は、アーバスキュラー菌根菌の実用化を進めるとともに、他の微生物技術の開発にも力を入れる方針です。

最新の情報は公式ウェブサイトを通じて発信されていますので、興味がある方はぜひご覧ください。

会社情報

会社名
株式会社松本微生物研究所
住所
長野県松本市新村2904番地
電話番号
0263-47-2078

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