株式会社ファンペップは、皮膚潰瘍治療薬として開発中の機能性ペプチド「SR-0379」の追加第Ⅲ相臨床試験を実施することを発表しました。
2021年6月から実施された第Ⅲ相臨床試験(SR0379-JP-SU-01試験)の結果を受け、早期の承認取得を目指し、追加の第Ⅲ相臨床試験(SR0379-JP-SU-02試験)を実施することが決定されました。02試験は、2025年1Qに開始予定です。
SR-0379は、血管新生や肉芽形成促進による創傷治癒促進作用に加え、抗菌活性も併せ持つことが強みです。高齢化社会において重要性が増している褥瘡や糖尿病性潰瘍等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者様のQOL向上に貢献することが期待されています。
01試験では、皮膚潰瘍患者126例を対象に、SR-0379群とプラセボ群に分け、1日1回、28日間投与されました。主要評価項目である「外科的処置に至るまでの日数」に関しては、全体では有意差は認められませんでした。しかし、潰瘍サイズが36cm2未満の患者を対象とした事後部分集団解析では、SR-0379群においてプラセボ群と比較して約5日短く、統計学的に有意な差が確認されました。安全性については、治験薬との因果関係がある有害事象は認められず、SR-0379の高い安全性が確認されました。
02試験では、01試験で効果がみられた潰瘍サイズ36cm2未満の皮膚潰瘍患者を対象とし、有効性の再現性を確認します。比較的大きい皮膚潰瘍に対しては、陰圧閉鎖療法が積極的に行われていますが、02試験の対象となる比較的小さな皮膚潰瘍に対しては、機器の仕様や取扱環境から陰圧閉鎖療法の適用が限定的です。SR-0379は、このような患者さんにとって新しい治療選択肢となる可能性を秘めています。
ファンペップは、SR-0379の早期承認を目指し、02試験を実施することで、皮膚潰瘍患者さんのQOL向上に貢献していきます。