次世代型ソーラーセルが注目の的!
YKK AP株式会社が新たな取り組みとして、東京都臨海副都心に位置するテレコムセンタービルで、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型の太陽光発電の実装検証を開始しました。これは、BEPV(Building Integrated Photovoltaics)という、窓や壁を利用した太陽光発電の統合的な導入に向けた重要なステップです。
実証実験の概要
この実証実験は、東京都の環境政策の一環として推進され、YKK APは株式会社関電工と提携し、今回は実際に運用されているオフィスビルでの検証を行ないます。これまでに、秋葉原や札幌などでさまざまな実証実験を実施しましたが、今度は既存のビルに対する設置方法や効果を探ります。
目的と期待される成果
この実装検証には、いくつかの主要な目的があります。まずは、1990年代に広く使用されていた熱線反射ガラスを採用したビルにおいて、ペロブスカイト太陽電池による発電能力にどう影響を及ぼすかを確認することです。また、社会実装に向けた設置方法の模索も行います。フィルム型ペロブスカイトを用いた内窓(BIPV内窓)は、建物の美観を損なわずに設置されるため、業界でも注目されています。
さらなる検証
さらに、複数のBIPV内窓を取り付けることで、方位や角度の違いによる発電データも集める予定です。また、札幌での実証実験で確認された雪上からの反射光効果を再現するための方法論も検討されます。
未来に向けた取り組み
YKK APはこの取り組みを通じて、「窓で断熱する」(省エネ)ことに加え、「窓で発電する」(創エネ)という二つの要素を融合させ、カーボンニュートラルの実現に貢献すべく努力を続けています。
実験の期間と規模
この実装検証は、2025年8月5日から2026年1月20日(予定)までの期間、テレコムセンタービルの室内で行われます。最終的には14枚の太陽電池と15窓のBIPV内窓が設置される計画です。
終わりに
新たなエネルギー技術が実用化される日も近いかもしれません。YKK APの取り組みは、未来の都心におけるエネルギー効率の向上につながる可能性を秘めています。今後の成果に期待がかかります。