リュウグウ分析を開始
2022-07-25 11:00:08
JAXAの国際研究公募に堀場テクノサービスが参加し小惑星「リュウグウ」を分析
JAXAの国際研究公募への参加について
2023年、JAXAが実施する国際研究公募において、堀場テクノサービスが共同研究機関として参加が決定しました。この公募は、はやぶさ2プロジェクトによって持ち帰られた小惑星「リュウグウ」の試料をもとに、その科学的成果を最大化することを目的としています。応募があった12か国から53件の提案の中で、選定された研究を行うのは9か国にわたる40件となり、その中には東京理科大学の由井宏治教授と北海道大学の圦本尚義教授が代表を務めるプロジェクトも含まれています。
小惑星「リュウグウ」からの試料分析は、堀場テクノサービスが重要な役割を果たします。初期分析結果をさらに深掘りし、その成因や環境変化を解明するための研究が進められます。この研究チームは、試料の分析に蛍光X線分析装置やラマン分光分析装置を使用し、水の痕跡を示す鉱物である蛇紋石や炭酸塩の分析を行います。これによって、リュウグウの詳細な成因についてより深い理解を得ることを目指しています。
プロジェクトの背景
「はやぶさ2」プロジェクトは、2020年の12月に小惑星「リュウグウ」から試料を持ち帰ることに成功しました。現在、JAXAなどの研究者により初期分析結果の公開とともに、さらなる詳細な分析が進められています。堀場テクノサービスは化学分析チームの一員として、すでに解析に関与しており、その成果を「Science」といった国際的な科学誌でも発表しています。今回の公募に応募した研究提案においても、化学分析チームのリーダーである東京理科大学の由井教授や北海道大学の圦本教授と連携し、堀場テクノサービスとしてもサポートを強化していきます。
研究の詳細
今回のプロジェクトでは、約3.5mgの試料を用い、東京理科大学や北海道大学、堀場テクノサービスの最新ラボである「Analytical Solution Plaza」などで約1年間かけて分析を行います。初期分析から得られたデータを元に、リュウグウ試料が持つ始原的特徴がどのように生命の起源や太陽系の進化に関する手がかりとなるかを探ります。
堀場テクノサービスの分析技術本部長である駒谷慎太郎博士は、このプロジェクトに対し強い意気込みを表明しています。高精度な微量分析を行い、「リュウグウ」試料の化学組成を解明することが期待されています。また、この分析によってリュウグウの成因や環境変化の特定が進むと共に、生命誕生への道筋にも迫る成果が期待されるとしています。
使用する分析装置
本プロジェクトでは、堀場テクノサービスの高性能な分析装置が使用されます。中でも、ラマン分光分析装置や蛍光X線分析装置は、試料の化学成分や分子構造を解析するために巧みに活用されます。特に蛍光X線分析装置は、X線を試料に照射して元素を特定し、量を測定することで化学組成を深く理解できる強力なツールです。また、サンプルハンドリングの専用セルが開発され、試料の汚染を防ぎながら最適な状態での分析が可能となります。
結論
今後の研究の進展により、太陽系と生命の起源に迫るための重要な成果が期待される中、堀場テクノサービスはその分析技術をフル活用していきます。リュウグウの試料を通じて、私たちが直面する宇宙の謎を解明する新たな一歩が刻まれることを願っています。
会社情報
- 会社名
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株式会社堀場製作所
- 住所
- 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地
- 電話番号
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