新たに出版される解剖学の総力作『解剖学者全史』
2024年9月、グラフィック社から書籍『解剖学者全史 学者とその書物でたどる5千年の歴史』が発売されます。本書は、古代から現代までの解剖学者たちの業績を包括し、理解を深めるための貴重な資料です。著者は科学・歴史著述家のコリン・ソールターであり、監修を務めるのは美術批評家で解剖学者の布施英利です。
解剖学の始まり
古代の医師ヒポクラテスに始まり、日本の華岡青洲に至るまで、数多くの解剖学者が人体の神秘に魅了され、彼らの研究は様々な問題を解決するために進められてきました。本書では、これらの学者たちの出版物を通じて、時代ごとの解剖学の発展を探ることができます。
豊かなビジュアル
本書には、単純な図式から始まり、骨格や筋肉、脳、臓器の詳細な解剖図まで多岐にわたるイラストが掲載されています。特に、デューラーやダ・ヴィンチなどの有名な芸術家による素描も取り入れられており、これらは単なる学問の枠に留まらず、美術作品としても楽しむことができます。解剖学と美術の交錯を肌で感じることができる、まさに一石二鳥の内容です。
段階を追った解剖学の進化
本書は、各時代ごとに分かれた章立てがあり、
1.
古代世界の解剖学(紀元前3000年~紀元1300年) では、最初の解剖の試みや知識の伝承を扱います。
2.
中世の解剖学(1301年~1500年) では、解剖に対するタブーや限界が克服されつつあった時代が描かれます。
3.
ルネサンス期の解剖学(1501年~1600年) では、人体観察の精度が格段に向上し、イタリアの解剖学者による詳細な研究が行われました。
4.
顕微鏡の時代(1601年~1700年) では、微細な構造の解明が進み、科学が革新を遂げます。
5.
啓蒙の時代(1701年~1800年) では、一般市民への解剖に関するドキュメントが流通し、関心が高まりました。
6.
発明の時代(1801年~1900年) では、さらなる技術革新により、解剖学の実践が大きく進化します。
著者陣の力強い解説
コリン・ソールターは、過去の豊富な著作を持つ著述家であり、科学と歴史関連の専門家として高い評価を得ています。また、監修の布施英利は解剖学という視点から美術を考察し、その深い見識を本書に反映させています。これにより、専門的な知識だけでなく、視覚的な楽しさを持つ読み物に仕上がっています。
書籍の詳細情報
- - 書名: 解剖学者全史 学者とその書物でたどる5千年の歴史
- - 著者: コリン・ソールター
- - 監修: 布施英利
- - 翻訳: 小林もり子
- - 発売日: 2024年9月
- - 仕様: B5変形並製総272頁
- - 定価: 4,290円(10%税込)
- - ISBN: 978-4-7661-3832-0
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この素晴らしい書籍を手に取って、解剖学の歴史に触れ、美術と医学がどのように繋がっているのかを再発見してみてはいかがでしょうか。