ヒト・動物・環境の健康に関する合同セミナーが実施予定
2025年11月7日、国連食糧農業機関(FAO)と日本の農学知的支援ネットワーク(JISNAS)による第11回合同セミナーが開催されます。このオンラインイベントでは、ヒト・動物・環境の健康を一体的に捉える「ワンヘルス(One Health)」の重要性について議論されます。
FAOは国連の専門機関として、農業や食料に関連する広範な情報を提供していますが、日本においてはその情報が十分に利用されていないのが現状です。言語の壁や情報の専門性が原因で、国内の研究者や学生がFAOの知見にアクセスする機会は限られています。本セミナーは、そうした課題を解決するために設けられました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や鳥インフルエンザの発生は、ヒト・動物・環境の健康がどれほど密接に結びついているかを浮き彫りにしています。この「ワンヘルス」は、パンデミックを未然に防ぐために異なる分野が協力することの重要性を強調しています。従来の公衆衛生対策は主に人間の健康に焦点を当てていましたが、動物や環境との関係も無視できないことが明らかになりました。
FAOは、持続可能な農業や食品の安全性の確保、抗菌薬耐性対策などについての「ワンヘルス」アプローチを推進しています。このアプローチは、人間、動物、植物、環境の各健康に関わる多様な分野を包括しており、様々な関係者が参加する協力活動が必要不可欠です。ワンヘルスの実現は、感染症の予防や検出、薬剤耐性への対応、環境に起因する健康リスクの管理などにおいて重要な役割を果たします。また、持続可能な開発目標(SDGs)の達成とも密接に関連しています。
本セミナーでは、ワンヘルスの基本的な概念や現況に加え、FAOがどのようにワンヘルスを推進しているかについても詳しく解説される予定です。参加者は、農業と食料システムにおけるワンヘルスの実践に関する最新の知見を得る貴重な機会となります。
セミナー詳細
- - 日時: 2025年11月7日(金)17:00~18:00(日本時間)
- - 形式: オンライン(Zoomウェビナー)
- - 言語: 日本語・英語(同時通訳あり)
- - 主催: FAO駐日連絡事務所、農学知的支援ネットワーク(JISNAS)
- - 登録: 以下のリンクから登録が可能です。
セミナー登録リンク
プログラム内容
- - 司会・進行: 伊藤直人(岐阜大学)、江原宏(名古屋大学)、伊藤香純(名古屋大学)
- - オープニング挨拶: 山内章(名古屋大学)
- - 基調講演: タナワット・ティエンシン(FAO)「農業食料システムにおけるワンヘルス」
- - 日本の専門家からのコメント: 森田康広(九州大学)
- - 質疑応答
- - 閉会挨拶: 日比絵里子(FAO)
このセミナーは、ヒト・動物・環境の健康がいかに相互に関連しているかを理解し、未来の健康課題に備える重要な機会となります。関心のある方はぜひご参加ください。