日中の屋外での新しいソーラーパネル検査システム「PVScope」
東北電力株式会社と株式会社アイテスの協力により、画期的なソーラーパネル検査システム「PVScope」が誕生しました。このシステムは、太陽光発電所の稼働を維持したままで日中に屋外でソーラーパネルの不具合を即座に検出可能にします。
これまでの課題と新システムの誕生背景
従来、ソーラーパネルの検査はPL検査と呼ばれ、夜間や暗室で行われていました。これは、発電中のパネルに対して光を当て、発光をもとに内部の不具合を分析する検査方法でした。このため、検査を行う時間や場所に制約があり、業務の効率が妨げられるという課題がありました。
その解決策として、東北電力がアイテスの優れた画像解析技術を取り入れ、2021年4月から共同で開発を進めてきました。そして、2025年5月には本システム「PVScope」の開発に成功しました。
PVScope の特長
「PVScope」はいくつかの特長があります。まず、日中に屋外でPL検査を行えることが最大のポイントです。これにより、発電を止めることなく、効率的に検査が実施できるようになりました。
さらに、高精度な画像解析技術を採用しているため、現場でリアルタイムに不具合の有無を判断することが可能です。これにより、迅速な対応が可能となり、ダウンタイムの削減に寄与します。
また、ドローンなどの最新技術を活用することで、広範囲にわたるソーラーパネルの検査も手軽に行えます。そして注目すべきは、ペロブスカイト型ソーラーパネルにも対応している点で、今後の市場ニーズにも応える形となります。
今後の展望
本システムは、企業や団体向けに販売が開始され、販売価格は1,600万円(税込)です。アイテスは、2030年までに50件以上の導入を目指し、さらに技術の進化とともに、スマート社会の実現に貢献する新たな価値を提供し続ける計画です。
両社は今後も、新技術の導入によって業務の効率化&高度化を進めると同時に、太陽光発電技術の発展に寄与していくことでしょう。スマート社会の実現に向けた取り組みが期待されます。