米国とメキシコを結ぶ新たな越境トラック輸送サービスが、2024年12月12日(木)に米国ヤマト運輸株式会社により開始される。これは"空港間保税転送"と呼ばれる画期的な仕組みを生かしたもので、国境での繁雑な通関手続きを排除し、物流の効率性を向上させる狙いがある。
近年、メキシコは米国と中国の貿易摩擦や米国内の物価上昇を背景に、日系企業を含む多くの自動車関連企業の進出先として注目を浴びている。その影響で2023年の米国とメキシコ間の貿易量は8000億ドルに達し、メキシコは米国の最大の輸入相手国となった。しかし、複雑な国境通関手続きが課題となり、物の流れを妨げていたことは否めない。
そこで、米国ヤマトは越境トラック輸送サービスの改善に乗り出した。このサービスでは、荷物の通関手続きを混雑が懸念される国境ではなく、目的地の空港で行うことにより、より短いリードタイムを実現する。この変更によって、輸送の定時性も向上し、顧客のニーズに応じた効率的なサプライチェーンが構築される。今後の展望として、お客様のニーズに合った柔軟なロジスティクス提案も続けていく方針だ。
この越境トラック輸送サービスでは、週に3回から最大5回の高頻度運行が行われ、テキサス州からメキシコのモンテレイ、グアダラハラ、さらにはメキシコシティへと直行する。さらに、アジア圏からの貨物はロサンゼルス空港も通過可能だ。
また、サービスの特長としては、コンテナ単位でのチャーター輸送や、パレット単位での混載輸送に対応している。これにより、お客様の在庫圧縮や保管スペースの削減が実現され、より効率的な業務運営をサポートすることが期待される。
今後も米国ヤマトは、グローバルな物流を最適化し、総合的なコスト削減や生産性の向上に寄与するソリューションを提供することに尽力するという。私たちの生活に欠かせないサプライチェーンの円滑な運営を支えるこの新たな取り組みに、今後も注目が集まるだろう。