動脈硬化治療の革新
医療法人医誠会が新たに承認を受けた自己脂肪幹細胞を用いた動脈硬化治療が、医誠会国際総合病院で始まりました。この治療は、患者自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、静脈内に投与することで血管の修復や炎症の軽減を図るものです。動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞といった重大疾患の主要な原因であり、生活習慣病や高齢化が進む中で、治療の必要性が高まっています。
「動脈硬化」の現状と課題
近年の日本では、動脈硬化による疾患が多く、これが原因で亡くなる方の数は少なくありません。一般的な治療法には食事療法や薬物療法、さらにカテーテル治療や手術が存在しますが、これらの方法だけでは進行を完全に抑えられない患者も多いのが現実です。医誠会が提供する新たな治療法は、こうした既存の治療では十分な結果が得られなかった患者にとって、重要な選択肢となります。この治療の実施にあたっては、認定再生医療等委員会の承認を得て、厚生労働省に計画が提出されたことが背景にあります。
治療の具体的な流れ
医誠会国際総合病院では、患者の腹部から少量の脂肪を採取し、それを専門の細胞培養施設で約1か月間培養します。その後、培養した幹細胞を静脈内に点滴で投与するという流れで治療を進めます。これにより、幹細胞の力を活用し、血管内の環境を改善することが期待されています。また、凍結保存された幹細胞を用いることで、患者にとっては複数回の投与が可能となり、持続的な治療効果も見込まれます。
対象となる患者について
この治療法の対象となるのは、強化した内科的治療を施されても動脈硬化の進行が見られる患者です。診断基準を満たす患者に限られますが、がんの治療を受けている方や妊娠中・授乳中の方、また未成年者や重度の肥満の方などは適応外となります。これにより、安全面に配慮しながら、最適な患者に対して治療が施されることとなります。
医療法人医誠会の取り組み
医誠会国際総合病院は、この新しい動脈硬化治療を含め、さまざまな再生医療に取り組んでいます。例えば、靭帯や腱の治療に関する幹細胞治療や変形性関節症に対する治療も手がけています。意義深い治療法を提供することで、病気やけがで失われた身体の機能を修復し、自立した生活を送れるよう支援することを目指しています。特に、「センテナリアン」と呼ばれる百歳以上の高齢者を支援することに力を入れ、多くの方々が健康で長寿な生活を送れるよう努めています。
さらなる展望
医誠会国際総合病院は、先進的な医療技術を備えた総合病院として、地域医療への貢献を重視しています。2024年12月にはJCI認証を取得し、国際医療ツーリズムの促進にも取り組むなど、幅広い分野で医療の質を向上させる努力を続けています。さらに、24時間体制での救急医療を提供し、地域の健康を守るために尽力しています。私たちの未来の医療は、このように再生医療の進展と共に歩み続けていくと考えられています。