空気中ウイルス検出
2021-04-07 15:01:14

レーザーを用いた空気中ウイルス検出の革新技術

レーザーによる空気中ウイルスの検出研究



近年、新型コロナウイルスの影響によりウイルス検出技術の重要性が増しています。そこで注目されているのが、コーガ・ジェームズ氏が行う「レーザーで空気中のウイルスを検出できるか?」という研究プロジェクトです。この研究は、量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所で実施され、2021年の春に行われました。

プロジェクトの目的


この研究の主な目的は、レーザー誘起破壊分光法(LIBS)を用いて空気中のウイルスをリアルタイムで検出できるかを検証することです。現在、ウイルス検出にはPCR分析が一般的ですが、これはサンプル採取から結果が判明するまでに時間がかかります。そこで、ライフサイエンス分野での迅速なウイルス検出方法の開発が求められています。

レーザー誘起破壊分光法(LIBS)とは?


レーザー誘起破壊分光法は、高出力レーザーを用いて、物質を原子レベルに分解します。分解された物質から発生するプラズマは、特有の光を放ち、その光を分析することで元素の組成を特定できます。これにより、広範囲な空間でもウイルスを検出できる可能性があります。

研究の背景


コーガ氏は特に犬にウイルスの探知をさせたくないという思いから、このプロジェクトに挑むことを決意しました。家族や愛犬と過ごす時間が増える中、自分ができる形でウイルス検出の研究をしたいという強い気持ちが背景にあります。このような情熱が、彼の研究をさらに前進させています。

ディープラーニングによる理論検証


今回のプロジェクトでは、ディープラーニングを用いた数値シミュレーションも行われます。これにより、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検知能力を理論的に分析し、LIBSが空気中でもウイルスを検出できるかどうかを探ります。

支援と報酬


今プロジェクトはクラウドファンディングで支援を募集しています。集まった資金は、研究のさらなる発展に役立てられ、支援者には寄付に応じた活動報告等のリターンが用意されています。また、税制優遇措置も受けられることから、多くの方々からのサポートが期待されています。

経歴と今後の展望


コーガ・ジェームズ氏はアメリカ出身で、1980年代に日本へと拠点を移しました。物理学やレーザー技術に関する専門知識を活かし、これからも革新的な研究を進めていくことでしょう。

以上の研究は、ウイルス検出技術の新たな可能性を示すものであり、特に空気中のウイルスを迅速に検知できる技術の確立が期待されています。私たちの生活が新型コロナウイルスによる影響を受けた今、こうした研究は今後ますます重要になってくるはずです。

会社情報

会社名
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
住所
千葉県千葉市稲毛区穴川4-9-1
電話番号

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