卵巣がん治療薬の開発
2025-10-16 15:03:33
大鵬薬品とHaihe Biopharma、卵巣がん治療薬の共同開発を開始
大鵬薬品とHaihe Biopharmaの新たな提携
大鵬薬品工業株式会社(以下、 大鵬薬品)は、中国のHaihe Biopharma Co., Ltd.(以下、Haihe Biopharma)との間で、PI3Kα阻害剤リソバリシブ(国際一般名:Risovalisib、開発コード:CYH33)に関する独占的ライセンス契約を締結しました。この契約により、 大鵬薬品は日本におけるリソバリシブの開発、製造、販売に関する独占権を獲得しました。
このリソバリシブは、Haihe Biopharmaの子会社である海和製薬により、現在日本で卵巣明細胞がんの治療薬として承認申請中の新しい化合物です。契約により、大鵬薬品は契約一時金、開発及び販売に関するマイルストーン、売上に基づくロイヤリティを受け取るShapeとなっています。
がん治療におけるPI3Kαの重要性
本剤は、新規の選択的PI3Kα阻害剤であり、特に「がん化学療法後に悪化したPIK3CA遺伝子変異を有する進行・再発の卵巣明細胞がん」が想定されています。2025年8月には、海和製薬が製造販売の承認申請を行う予定です。このリソバリシブは、厚生労働省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定も受けており、その治療効果が期待されています。
大鵬薬品の代表取締役社長、小林将之は、「これまでの協力関係を踏まえ、Haihe Biopharmaとの新たな提携は非常に嬉しい」と述べ、卵巣明細細胞がん患者に対する新たな治療選択肢としての期待を示しました。
一方、Haihe Biopharmaの丁健Academicianも「大鵬薬品と提携してのこの新薬の進展を楽しみにしている」と語り、両社が協力して患者への貢献を目指す意義を強調しています。
卵巣明細胞がんとその治療の現状
卵巣明細胞がん(Ovarian Clear Cell Carcinoma、OCCC)は、悪性度の高い希少ながんの一種で、日本国内の患者数は年間約3500名と推定されており、PIK3CA遺伝子変異の頻度は30〜40%とされています。既存の治療法に抵抗を示すこのがんに対しては、有効な治療法が不足しており、治療ニーズが満たされていないのが現状です。
特に、OCCCでは既知の遺伝子変異が新しい治療のターゲットとして重要視されており、リソバリシブはその非常に有望な選択肢となることが期待されています。
大鵬薬品とHaihe Biopharmaの役割
大鵬薬品は、「がん」や「免疫関連疾患」といった領域に特に注力している、日本でもリーディングカンパニーの一つです。患者の健康を第一に考え、創薬から製造まで自社での一貫体制を整えています。そして、海和製薬を通じて、日本国内での新治療法の開発を進めていく予定です。
Haihe Biopharmaは、中国を拠点に革新的な抗がん薬の開発を行っている企業で、グローバル市場に展開しています。彼らの研究開発部門は、治療ニーズに応えるべく新薬を進化させ、患者により良い治療の機会を提供することを目指しています。
まとめ
この契約を通じて、卵巣明細胞がんに苦しむ患者に対する新しい治療法の実現が期待されており、両社のさらなる協力に注目が集まっていると言えます。今後の進展に目が離せません。
会社情報
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大鵬薬品
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