中小企業におけるBPO導入の現状
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が実施した調査によると、日本全国の中小企業におけるBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)や業務代行の導入状況は意外にも限られたものでした。調査の対象は、従業員300人未満の企業の経営層や管理職550人です。結果として、BPOを導入している企業はわずか12.9%と、導入率の低さが浮き彫りになったのです。
BPO導入の背景
調査によると、BPOの導入が多いのは従業員規模が大きい企業であり、100人以上の企業では導入率が24.6%に達しました。逆に、10人未満の企業では導入率が6.9%と、企業の規模が導入に大きく影響していることがわかります。また、BPOを導入していない企業からは、「結果的にコストが高くなる」という意見が最も多く寄せられました。
導入業務の分析
BPOを実際に導入している企業が行っている業務は多岐にわたりますが、特に「経理・財務」が最も多く29.6%を占め、次いで「労務」や「人事(管理)」も多くの導入が確認されました。この傾向は、業務の専門性が求められる分野での導入が進んでいることを示しています。具体的には、経理業務では正確性が必要とされ、労務管理業務では法律と規制の遵守が重要視されます。
BPOの導入効果
BPOを導入した企業が実感する効果は、「従業員の負担が軽減され、はたらきやすい環境が整った」という点が最大のメリットとして挙げられました。次いで「業務コストが削減できた」との回答もあり、導入による具体的な利点を実感している企業が多いことが確認されました。
月額費用と導入の課題
BPOにかかる月額費用の調査では、最も多く「10万円未満」と答えた企業が12.7%を占めました。一方で、BPOを導入していない企業の中で最も多くの理由として挙がったのが「コストの不安」であり、企業の懸念を払拭するためには、より明確なコストメリットの提示が求められるでしょう。
まとめ
今回の調査を通じて浮き彫りになったのは、BPO導入には依然として多くの障壁が存在しているという事実です。しかし、すでに導入している企業からは、業務効率化や従業員満足度向上など、具体的な効果を実感していることが明らかになりました。今後、パーソルビジネスプロセスデザインの提供する「StepBase」などのサービスが中小企業の業務課題解決に貢献することが期待されます。これにより、持続可能な事業運営が促進されるでしょう。