住友ゴム工業株式会社と国立大学法人九州大学は、再生医療などの医療技術の発展に向けた共同研究をさらに加速させるため、6月1日に「高分子バイオマテリアル研究に関する寄附研究部門」を開設しました。
両者はこれまで、機能合成高分子技術に関する共同研究を進めてきました。今回の研究部門開設では、細胞接着制御のための特殊高分子の開発や、細胞・タンパク質・高分子の相互作用解明に焦点を当てます。特に、ナノバイオ面解析技術を用いた研究は、細胞が接着する表面における分子レベルの相互作用を詳細に解析することを可能にし、医療材料や人工組織の開発に大きく貢献すると期待されています。
この研究部門は、有機・高分子合成、バイオ界面分析、細胞工学という3つの分野を統合した研究開発を推進します。これにより、再生医療などの医療技術への応用展開を加速させ、世界的に進む高齢化社会における医療技術の発展に貢献していくことを目指しています。
具体的には、細胞の接着性を制御する高分子材料の開発や、人工組織や医療材料の開発、生体適合性の高いバイオマテリアルの開発などが挙げられます。これらの研究を通じて、医療分野における高分子材料の活用を拡大し、人々の健康寿命の延伸に貢献していくことが期待されています。