松波教授が受賞
2025-10-01 12:58:39

京都先端科学大の松波教授が炭化ケイ素で2度目のSSDMアワード受賞

京都先端科学大学の松波弘之特任教授が、名門国際固体素子・材料コンファレンス(SSDM)で、再びその功績を称えられ、SSDMアワードを受賞しました。この国際会議は、50年以上の歴史を持ち、固体素子や材料分野の研究者にとって重要な場となっています。受賞対象は、過去に発表された優れた論文であり、松波教授は1993年に発表した「高耐圧(1kV)SiCショットキーバリアダイオード」により、名誉ある賞を手にしました。

実は、松波特任教授が受賞したのはこれが二度目。2005年にも「ステップ制御VPE法による低温でのSiC単結晶成長」で評価された経歴があります。彼は特に、SiCの単結晶化を実現する技術を確立し、それを基に高耐圧のショットキーバリアダイオードを開発。これは、発電所や電気自動車(EV)などで必要とされる低炭素社会の実現に貢献する重要な成果とされています。

松波教授は、受賞にあたり「長年にわたるSiCの研究についてご評価いただき、この様な名誉ある賞を頂戴できたことを大変うれしく思います」とコメントしています。特任教授は、SiCの単結晶化とその応用が極めて困難であることを認識しつつも、その可能性を信じて研究を続けたことで、このような成果に至ったと述べています。若手研究者に対しては、「他人と違う研究を行う勇気と根気強く取り組む姿勢を持ってもらいたい」と激励の言葉を送りました。

松波教授の略歴を振り返ると、彼は1939年に大阪府で生まれ、1962年に京都大学工学部電子工学科を卒業。続いて大学院で修士課程を修了し、1970年には工学博士の学位を取得。その後、1971年には京都大学助教授となり、1983年には教授に昇進しました。また、1983年から1984年にかけては、アメリカのノースカロライナ州立大学で客員准教授を務め、国際的な視野を広げました。

2003年に定年を迎えた後も、彼の研究活動は続き、科学技術振興機構(JST)イノベーションプラザ京都の館長を9年間務めた後、2018年に京都先端科学大学のナガモリアクチュエータ研究所に客員教授として迎えられました。2022年には特任教授として名誉ある称号を得ました。また、2022年12月にはIEEEからエジソンメダルを受賞するなど、その業績は高く評価されています。

松波教授の貢献は、情報技術やエネルギー分野における革新の基盤を築くものであり、彼の研究がどのようにして私たちの未来の技術に影響を与えていくのか、今後も注目が集まります。このように、彼の受賞は個人の成果にとどまることなく、広く社会に影響を及ぼす重要な出来事となるでしょう。


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