新しい梱包箱の登場
近年、環境への配慮が重要視される中、企業も持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。日本精工株式会社(NSK)のグループ会社であるNSK富山株式会社と、段ボール製品の総合メーカーであるサクラパックス株式会社が協力し、環境に優しい梱包箱を開発しました。この新たな梱包箱は、主に大形軸受の輸送・保管に使用され、従来の木箱と比べて大幅なCO2削減や軽量化を実現しています。
開発の背景
NSKグループは、物流における効率化や環境負荷の低減を常に目指しています。従来、大形軸受の梱包には木箱が使われていましたが、その重量が大きく、リサイクルの難しさが問題視されていました。また、お客様からは木箱の解体作業に手間がかかるとの声も寄せられていました。
そこで、NSK富山はサクラパックスとともに、木材の代わりにリサイクル可能な強化段ボールを使用することを決定。これにより、梱包箱の軽量化と同時に、開梱や解体も簡単に行えるようになったのです。
新しい梱包箱の特長
1. 環境への配慮
新開発の梱包箱は、木箱の側面にリサイクル可能な強化段ボールを採用しています。この構造により、全体的なCO2排出量を従来の46%削減し、産業廃棄物量も減少。これまでの釘の使用量や電力消費も抑えられ、環境に優しい梱包材としての特長を持っています。
2. 軽量化と取り扱い便利さ
梱包箱の軽量化は、輸送コストの削減にも大きく寄与します。新しい梱包箱は、上部が4.8kg、側部が4.1kg、下部が10.7kgという軽さを実現しており、全体として42%の軽量化を達成しました。さらに、側面は底板から簡単に分離できるため、製品の取り出しや解体作業が格段に楽になりました。
3. 大形軸受の安全な輸送
新梱包箱は、600mmから950mmの外径を持つ大形軸受も安全に運ぶことが可能です。重量が600kg以下の製品にも対応しており、フォークリフトでの荷役作業もしっかりサポートされています。こうした工夫により、安全で効率的な物流が実現しています。
未来への展望
NSK富山は、新梱包箱の使用を開始した後、さらなる工場展開を計画しています。環境に配慮したエコな製品の開発は、今後も続くでしょう。また、サクラパックスも今後の製品群での利用拡大に努めていく考えです。
まとめ
今回の共同開発により、NSK富山とサクラパックスは、環境負荷を低減しつつお客様のニーズに応える新しい梱包箱を実現しました。両社の取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。今後のさらなる展開に期待が寄せられています。