タービー®の効果
2025-10-21 14:08:25

タービー®、日本での多発性骨髄腫治療に革命をもたらす

タービー®、日本人の難治性多発性骨髄腫に有効



現在、多発性骨髄腫の治療において新しい希望をもたらす抗体医薬品、タービー®の有効性が確認されています。特に、再発や難治性の状況におかれた日本人患者において、その治療効果が際立っています。GPRC5DおよびCD3を標的とするこの薬剤は、世界で初めて承認された二重特異性抗体としての位置付けを持っています。

臨床試験の概要



近日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のヤンセンファーマは、タービー®に関する最新の臨床データを発表しました。このデータは、多発性骨髄腫の患者が対象の第I/II相MonumenTAL-1試験から得られたもので、日本人コホートに特化した分析結果です。此の試験は、少なくとも3種類の標準治療歴を有する患者237名を対象に行われ、結果的に77.8%の全奏効率(ORR)を示しました。

患者のデモグラフィック



日本人コホートは免疫調整薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤など、複数の治療歴を持つ患者さんたちから構成されます。このような治療歴を持つ患者においては治癒が難しく、既存の治療法では満足のいく結果が得られないことが多かったため、タービー®の運用は大きな期待を寄せられています。

長期的な奏効



試験の追跡期間中央値は13.4か月で、その間に見られた成果は注目に値します。最良部分奏効(VGPR)以上の達成率が72.2%、完全奏効(CR)以上では55.6%であり、特筆すべきは厳格な完全奏効(sCR)率が47.2%に達したことです。

サブグループ解析の結果



高リスク染色体異常を有する患者群でも、12ヵ月時点において有効性が確認され、DOR率、PFS率、OS率のそれぞれは58.4%、53.5%、66.3%に達しました。これはタービー®の治療が、特に困難な患者群に対しても効果を示す可能性を示唆します。

安全性について



タービー®の安全性に関するデータも、海外での試験結果と合致しています。グレード3/4の有害事象として最も多く認められたのは血液毒性であり、特にリンパ球減少症が47.2%、好中球減少症が38.9%でした。また、サイトカイン放出症候群(CRS)を経験した患者は75%に及びましたが、いずれも軽度であったため、治療の中止に至ることはありませんでした。

タービー®の将来展望



タービー®は、治療選択肢が限られている多発性骨髄腫患者にとって非常に重要な薬剤です。特に、BCMAを標的とした治療の前後でも投与可能であるため、治療戦略の選択肢が広がります。J&Jのオンコロジー事業の代表Yusri Elsayed氏も、タービー®が日本における多発性骨髄腫治療の進展に寄与することを期待しています。

結論



多発性骨髄腫は依然として治療が難しい疾患ですが、タービー®のような新たな治療手段の存在が、患者にとっての価値が増しています。タービー®による持続的な奏効は、日本国内における多発性骨髄腫の治療において、期待を寄せる要素として重要です。今後の研究と臨床展開により、さらなる治療効果が期待されるでしょう。


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