JIS規格改正で日本のロボット技術が進化!最新用語解説
一般財団法人日本規格協会は、2024年10月21日、産業用ロボットを含むロボティクス技術に関する用語規格JIS B 0134を改正し、最新版JIS B 0134:2024を発行しました。
この改正は、日本のロボット技術の目覚ましい発展と、サービスや医療分野への進出を背景に実施されました。1979年の初版制定から45年。産業用ロボットの普及から始まった規格は、サービスロボットや協働ロボットといった新たな分野の台頭、そして国際標準化機構(ISO)との連携強化を踏まえ、大幅な改訂が行われています。
規格改正のポイント:時代の変化を反映
今回の改正では、大きく分けて以下の3点が挙げられます。
1.
新用語の追加と既存用語の修正: ロボット技術の進化に伴い生まれた新しい概念や技術に対応するため、多くの新用語が追加されました。「協働ロボット」や高度なAI制御に関する用語などが含まれます。同時に、時代遅れとなった用語は削除・修正され、より正確で分かりやすい定義へと改められました。
2.
サービス・医療分野への対応強化: 近年、急速に発展しているサービスロボットや医療用ロボット分野に対応するため、関連用語の定義が充実しました。これにより、多様化するロボット技術を網羅する包括的な規格へと進化しています。
3.
ISO規格との整合性強化: 国際規格ISO 8373:2021との整合性(IDT)を図ることで、日本のロボット技術が国際標準に沿った形で発展していく基盤が確立されました。国際的な技術交流や協力の促進にも貢献すると期待されます。
ロボットの種類と関連用語
改正版JIS B 0134では、ロボットを大きく分けて以下の2種類に分類しています。
産業用ロボット: 製造業などの工場における自動化・効率化に貢献するロボットです。垂直多関節ロボットやパラレルロボットなどが代表例として挙げられます。
サービスロボット: 家庭や商業施設などにおいて、人々の生活をサポートする役割を担います。配膳ロボットや介護支援ロボットなどが含まれます。
さらに、今回の改正で注目すべきは「協働」という概念です。これは、協働ロボットや協働運転を包括する新たなキーワードとして追加されました。人との協調作業を可能にしたロボット技術の進歩を示す重要な用語といえるでしょう。
未来社会への影響
ロボット技術の進歩は、私たちの生活や社会全体に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。自動化や効率化による生産性向上、高齢化社会における介護支援、災害対応など、多様な分野でロボット技術が活躍すると期待されています。JIS規格の改正は、この進化を支える重要な一歩となるでしょう。
日本規格協会(JSA)について
1945年設立の一般財団法人日本規格協会は、標準化に関する様々な活動を通して日本の産業の発展に貢献しています。JIS規格の発行・販売のほか、国際規格(ISO)の普及、セミナーの開催、マネジメントシステムの審査登録など、幅広い事業を展開しています。