株式会社イノカがUMTとサンゴ研究のMOUを締結
株式会社イノカ(東京都文京区、CEO:高倉葉太)のマレーシア支社、Innoqua Asia Sdn. Bhd.(サイバージャヤ)は、マレーシア・トレンガヌ大学(Universiti Malaysia Terengganu, UMT)との間で、環境移送技術®を活用したサンゴの生物環境実験に関する覚書(MOU)を締結しました。この契約の締結は、2024年10月にイノカアジアが設立される際の重要なステップであり、海洋保全の研究基盤の構築を加速させるものです。
MOU締結の背景
東南アジアは「コーラルトライアングル」として知られ、豊かな海洋生物多様性を持つ地域ですが、気候変動や沿岸開発により、85%のサンゴ礁が絶滅の危機に直面しています。この問題を解決するためには、現地での環境再現実験に基づいた科学的アプローチが必要です。
イノカの「環境移送技術®」は、陸上の水槽で海洋環境を再現し、安定した生態系モデルを構築することが可能です。この技術を用いて、イノカは2022年にサンゴの人工産卵に成功し、現在も海洋資源の保全と持続可能な利用を進めています。
今回のMOUにより、イノカアジアはUMTと連携し、マレーシア国内で環境適合型のサンゴ実験を行うための法的および制度的な支援を受けることができます。これにより、研究活動はより科学的かつ法的に実施可能になるのです。
UMTとの連携の強み
UMTはマレーシアの東海岸に位置し、海洋科学と沿岸生態系に特化した全国的に有名な教育機関です。特にCEMACS(Centre for Marine and Coastal Studies)は、サンゴ礁や沿岸生態系の研究で高い評価を得ています。UMTとの締結によって、イノカは以下の利益を享受します:
- - トレンガヌ沿岸における豊富なサンゴの供給
- - サンゴ礁の研究に特化した知識と技術の提供
- - マレーシア水産局や環境庁との連携を通じた許可申請のサポート
- - 教育プログラムおよび地域連携を強化する機会
これらの枠組みは、イノカの技術を現地社会に拡張するための理想的な基盤となるでしょう。
交換式の詳細
このMOUの交換式は、Leave a Nest Malaysiaが主催した「Sustainable Aquaculture Summit 2025」で行われました。署名者には、Innoqua AsiaのManaging Director、Dr Pachoensuk TheeranukulとUMTのVice Chancellor、Professor Ir. Ts. Dr. Mohd Zamri Ibrahimが揃い、立会者として株式会社リバネスのCEO、丸幸弘氏が参加しました。
今後の展望
今後、イノカは次の目標を設定しています:
- - マレーシアでの正式なサンゴ個体実験の開始
- - 環境移送技術による現地環境モデルの構築
- - 地域協働型保全モデルの実証を目指し、USM、UMT、リバネスと共に一体的なネットワークを形成すること
イノカのビジョンは、「人類の選択肢を増やし、人も自然も共に栄える世界をつくる」ことです。新しい海洋保全の枠組みを科学技術と制度によって融合させることが、未来に繋がる重要な一歩となります。
会社情報
UMTについて
Universiti Malaysia Terengganu(UMT)は、海洋科学や沿岸生態系に特化した国立大学として高い評価を受けています。CEMACSは、サンゴ礁保全において東南アジアでの中心的な研究機関です。
イノカについて
株式会社イノカは、2019年に設立された環境保全のプロフェッショナル集団です。人材は自然環境や生物に関心を持つ専門家で構成され、「持続可能な豊かな地球を目指す」ミッションのもと、研究と事業開発を推進しています。特に、環境移送技術は、特殊な水槽を用いて自然環境の再現を可能にする独自の技術です。