革新的な嚥下評価法
2025-10-15 13:34:20

岩手大学との共同開発で進化した嚥下機能評価センサーの未来

メクテックの新しい嚥下機能評価技術が医療現場を変える



2023年、メクテック株式会社は岩手大学と共同で新しい嚥下機能評価用デバイス「嚥下機能評価用伸縮FPC」(以下、FPC)を開発しました。この技術は、高齢化社会における嚥下障害の評価を容易にし、特に誤嚥性肺炎という深刻な健康問題に対処するための重要な手段となることが期待されています。

FPCの特徴と技術



FPCは、首周辺に貼るだけで微弱な生体電気信号を測定できる薄膜センサーシートです。特許技術に基づいて生まれたこのデバイスは、筋肉の動きを非侵襲的に高精度で評価します。さらに、超音波画像との組み合わせにより、嚥下時の運動をリアルタイムで捉え、従来の方法では難しい同時評価を実現しています。

この新しい評価手法は、2025年の「LIFE2025」大会で発表され、そこで発表者である岩手大学生体工学研究室の修士課程の学生、清水咲織さんが奨励賞ファイナリストに選ばれました。これは新技術の学術的な評価と重要性を物語るものです。

社会的背景と期待される役割



日本ではここ数年、高齢化が進み、嚥下障害による誤嚥性肺炎が要因での死亡者が年間約6万人に及ぶと報告されています。そのため、医療機関ではX線を使用した嚥下造影検査が一般的ですが、複雑で大きな装置が必要なこの検査は、高齢者や要介護者にとって負担が大きいのが現実です。

新たに開発されたFPCは、家庭や介護施設で簡便に使用できるため、生活の質(QOL)を向上させる手段として非常に有益です。厚生労働省も介護テクノロジーの利用分野として、食事と栄養管理を重視し始めていることから、FPCの導入が広がれば、より多くの成果が期待されます。

メクテックのビジョン



メクテックは、これまでにもさまざまな技術を模索し、新たな医療機器の開発に挑んできました。本技術も、その一環として、医療現場に必要とされている嚥下機能の評価を革新するものです。特に、要介護高齢者や高齢者性障害者の自宅や介護施設での利用は、安全で安心な食事環境を提供する上で重要です。

今後の研究と開発を通じて、メクテックは引き続き高齢化社会の課題解決に挑戦し、より安全なフードライフをサポートする製品を展開していく意向です。

岩手大学生体工学研究室について



岩手大学の生体工学研究室は、生体工学を基礎に、ロボット工学やリハビリテーション工学の分野でも優れた成果を上げています。多様な産業との共同研究を通じ、独自の技術開発を目指しており、数多くの特許を取得しています。

このような背景を持つ研究室が手がけるFPCは、医療現場において新たな可能性を提示しています。これにより、高齢者の嚥下に関する深刻な問題に新しい解決策を提供し、彼らの生活の質を向上させることに大きく貢献することでしょう。


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