アクセルスペースが提案する次世代超小型衛星の進化
人工衛星の製造は、今や科学技術の発展を支える重要な要素のひとつです。特に、超小型衛星はその低コストと短納期が求められる中、製造プロセスの革新が必要不可欠です。アクセルスペース社は、今後の量産化を見越し、基幹搭載機器の新たな開発に乗り出しました。
量産化のための新機器開発
アクセルスペースは、衛星製造のコストを下げ、納期を短縮するために、次の二つの新しい機器を開発しています。これにより、さらに多くの衛星を効率的に製造することが目的です。
1. 膜展開型デオービット機構
この機構は、宇宙ゴミ問題に対応するために設計されました。次世代の衛星が任務を終えた後、適切に軌道外に処理されるようにすることが求められています。アクセルスペースは、膜展開型のデオービット機構を開発中で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証プロジェクトでも採用されました。この技術革新によって、衛星はより迅速に軌道を下げ、大気圏に突入しやすくなります。
2. リアクションホイール
リアクションホイールは、衛星の姿勢制御に不可欠な装置です。特に高精度を求められる超小型衛星にとって、この機器の開発は重要です。しかし、現状では高価格や納期の面での課題が残っており、供給先の多様化が進められています。アクセルスペースは、シナノケンシ社と共同で、これらの問題を解決するための新型リアクションホイールの開発を進めています。
業界のニーズに応える挑戦
日本の宇宙産業は、国際的な競争が激化する中で新たな技術革新が求められています。アクセルスペースは、パートナー企業との連携を強化し、高性能な超小型衛星の製造を目指しています。これからの宇宙開発には、企業の垣根を越えた共同の取り組みが不可欠です。
両機器の開発は、今後の衛星物流において重要な役割を果たすことが期待されています。宇宙産業が持続可能な未来に向けて進化し続けるために、アクセルスペースの挑戦はますます注目されることでしょう。
会社情報
アクセルスペース株式会社
- - 所在地:東京都中央区日本橋本町三丁目3番3号 Clipニホンバシビル
- - 代表者:中村友哉
- - 設立:2008年8月8日
- - 主な事業:超小型衛星による地球観測事業、コンポーネントの設計・製造
- - URL:アクセルスペース株式会社
サカセ・アドテック株式会社
- - 所在地:福井県坂井市丸岡町下安田14-10
- - 代表者:酒井慶治
- - 設立:1988年2月17日
- - 主な事業:宇宙用複合材料製造、宇宙大型展開構造の研究
- - URL:サカセ・アドテック
シナノケンシ株式会社
- - 所在地:長野県上田市上丸子1078
- - 代表者:金子元昭
- - 設立:1918年
- - 主な事業:電気機器・精密モータの開発・生産
- - URL:シナノケンシ