創薬研究の自動化
2024-07-01 14:40:55

創薬研究の自動化で新薬開発を加速!トーチとChromaJeanが協業開始

創薬研究の自動化で新薬開発を加速!トーチとChromaJeanが協業開始



研究開発の自動化に特化したロボットシステムインテグレーターであるトーチ株式会社と、分析・分取の仕組み化技術を有する株式会社ChromaJeanは、創薬研究の自動化を実現するために協業を開始しました。

創薬研究は多額の費用を必要とする一方で、新薬創出の成功率は低下傾向にあります。そのため、医薬品メーカーにとって研究生産性の改善は喫緊の課題となっています。

本協業では、ChromaJeanが創薬研究における分析・分取を誰でも成功できるよう「仕組み化」し、トーチがその仕組み化された作業フローを自動で実施するロボットシステムを構築します。

分析、分取プロセスは創薬研究におけるボトルネックとされています。今回の取り組みは、研究全体(デザイン→合成→分析・分取→薬理試験)の自動化と研究生産性の向上を加速させることが期待されます。

分析・分取プロセスの自動化で研究効率を飛躍的に向上



創薬研究の初期段階では、デザイン、合成、分析・分取、薬理試験の4つのプロセスを繰り返すことで、医薬品の候補となる化合物を探索します。近年では、ロボットを活用したラボラトリー・オートメーション(実験室の自動化)によって、このサイクルを効率的に回し、研究生産性を向上させようという取り組みが増えてきています。

しかしながら、液体クロマトグラフィーを用いた分析・分取のプロセスは、他の3つのプロセスと比較して、研究者の経験と勘に依存し、属人的な業務となっているケースが多いのが現状です。そのため、ロボット導入に必須となる要件定義が困難であり、自動化が遅れているのが現状です。

ChromaJeanは、液体クロマトグラフィーを用いた分析・分取に関して、誰でも同じ結果を得られるような仕組みを構築することで、熟練者の経験と勘に依存しないプロセスを実現しました。つまり、誰でもロボットでも成功可能な実験環境を整備することが可能になったのです。

トーチは、研究開発の自動化に特化した専門インテグレーターであり、ロボティクスを用いた自動化技術で研究プロセスをシームレスにつなぐノウハウを持っています。

両社の協業により、分析・分取プロセスの自動化が実現し、さらに、合成によって得られた粗生成物の取り扱い(前工程)や分取によって得られた目的物の薬理試験・ライブラリ保管(後工程)との連動についても、ChromaJeanによる仕組み作り、トーチによるロボット化を検討していく予定です。これにより、合成完了から目的物の取得までを、熟練者の経験と勘に依存せず、昼夜を問わず遂行することが可能になります。

研究者の負担軽減と新薬開発の加速化に期待



トーチは、創薬研究をより一層加速する取り組みとしてChromaJeanとの業務提携を決定しました。両社の技術を融合することで、新薬創出に貢献していくことを目指しています。

ChromaJean代表取締役社長の三輪勝彦氏は、「トーチ様のロボット技術と、弊社のクロマトグラフィー工程の仕組み化技術は非常に相性が良く、大きな相乗効果が期待できます。近年の潮流であるラボ・オートメーションの中核を担うロボティクスの取り組みに対して、両社の連携は導入コストを大幅に下げられることがわかってきました。これにより、ラボ・オートメーションへのアクセスの容易さが高まるものと期待しています。」とコメントしています。

トーチ株式会社代表取締役社長の石澤祐介氏は、「ChromaJean様により仕組み化された分析・分取工程はロボットで自動化しやすいものであり、非常に親和性が高く、効果的にロボットを導入し、生産性を向上することが可能と考えております。ChromaJean様と共に、研究者がより想像に没頭できる世界を実現し、新薬創出に貢献できるよう全力で取り組んでまいります。」とコメントしています。

今回の協業は、創薬研究の自動化を促進し、研究者の負担軽減と新薬開発の加速化に大きく貢献することが期待されます。


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