不動産テックの挑戦vol.2
2024-07-09 15:31:12

【不動産テックの挑戦vol.2】AIで入居者対応は変わるのか?専門家とスマサポCEOが語る未来

AIで入居者対応は変わるのか?専門家とスマサポCEOが語る未来



不動産賃貸マーケットにテクノロジーを活用したサービスを提供する株式会社スマサポ(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:小田慎三、証券コード:9342)のCEO小田氏と、東京大学大学院経済学研究科教授の柳川範之氏が、不動産業界における課題とテクノロジー活用の未来について熱い議論を交わしました。

本記事では、対談の第2弾として、不動産管理会社と入居者のコミュニケーション改善とデータ活用による未来の展望についてお伝えします。

入居者とのコミュニケーションデータ分析から生まれる未来



小田氏は、不動産管理会社にとって「クレームが出ない世界」の実現が大きな課題だと指摘。そのために、デジタルコミュニケーションで蓄積されるデータの活用が不可欠だと訴えます。

「入居者とのコミュニケーションから得られる情報を分析し、トレンドやパターンを把握することで、未然に問題を防ぐ仕組みを構築したり、入居者対応のAI化を目指したりすることも可能になります。この点について、柳川教授はどうお考えですか?」

対する柳川教授は、AI化による課題と可能性を冷静に見据えます。

「確かに、業界のニーズとしてはその方向性だと思います。しかし、ネガティブな問題を全てAI化するというのは、現実的に難しいと考えています。統計的に見れば、大量のデータを収集することで内容分析や予測モデルの構築は可能ですが、現状では十分なデータ収集ができていません。クレームを未然に防ぐには、クレームデータが不足している現状では、その削減は難しいというのが現実です。

テクノロジーとデータ解析の進展がどこまでこの課題を克服できるのか、という点については、不動産管理会社と入居者とのコミュニケーションは個別性が高いため、AIの適用が難しいのではないかと感じています。

とはいえ、デジタルを活用して得られる膨大なデータは、業務効率化だけでなく、マーケティングにも大きな力を発揮し得るものとして期待しています。」

個別性の高い入居者対応を支える「totono」



小田氏は、AIによる入居者対応の効率化について、次のように語ります。

「確かにAIを活用することで、一部の業務効率化や自動化は可能です。しかし、不動産管理業界では、個別対応が求められるパーソナルな問い合わせが多いのが現状です。このような個別性の高い対応を支えるためには、インターネットで検索できるようなデータではなく、実際にやりとりされた詳細なコミュニケーションデータの収集が不可欠だと考えています。

当社が提供する入居者アプリ『totono』では、現状1日平均2,700件という膨大なデータが蓄積されています。このデータを研究・分析・活用することで、AIの活用範囲を広げつつ、人間の判断や対応が必要な場面にも柔軟に対応できる可能性を秘めていると考えています。」

データ活用が拓く未来



今回の対談を通して、AIによる入居者対応の効率化は、単なる自動化ではなく、膨大なデータ分析に基づいた高度なサービス提供へと発展していく可能性が見えてきました。スマサポは、入居者アプリ「totono」で収集されたデータ分析を通じて、入居者と不動産管理会社双方のニーズに応える新たなサービスの開発に力を入れていくことを明らかにしました。

今後のスマサポの取り組みが、不動産業界の未来をどのように変えていくのか、注目が集まります。


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